ニューヨークのイエローキャブの来歴

イエローキャブはいかにして誕生したのか?

ニューヨークのタクシーは黄色い車体が特徴的な「イエローキャブ」として有名ですが、その起源は19世紀後半に遡ります。

当時、ニューヨークは馬車が一般的な公共交通機関でしたが、馬車を引く馬の排泄物が街中に散乱し、公衆衛生上の問題となっていました。そこで、電気自動車や蒸気自動車を手がけるアイルランド系の兄弟、ジョン・バークレー・“ヤンキー”・サリヴァン・タワーズが、馬車に代わる新しい交通手段を提案したのです。

そして、1897年、サリヴァン・タワーズ兄弟は「Electric Carriage and Wagon Company」という会社を設立し、電気タクシーの運行を始めました。車体は初めは緑色でしたが、電気タクシーは充電ステーションを確保できずに苦戦し、数年で早々に廃業しました。

イエローキャブという名前が広まり始めたのは、1907年。同年、全米初のタクシー運転手ハリー・アレンが、自分の車の車体を黄色に塗り替え、パーク・ロウに停まって「イエローキャブ」として営業を始めたのです。

イエローキャブの黄色とは?

イエローキャブが黄色い色になったのは、その後のことです。ナンバーアースという自動車産業用色見本で、イエローキャブとして使用できる色が掲載されるのは、1920年代以降のことでした。

黄色が採用された理由は、当時のニューヨーク市長フィオレロ・ラガーディアが、標準的な色を使うことで市民に安心感を与えようと考えたためです。黄色は視認性が高く、夜間でも明るく見えるという特徴があり、安全性が増したとされています。

イエローキャブは、現在でもニューヨークを代表する交通手段の一つとして親しまれています。


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