マルコフニコフ則

豆知識

マルコフニコフ則とは、アルケンに水素を付加する際、付加する水素の数が基質中に既存している水素原子の数が多い二級アルケンにおいては、水素が揃った末端側に付加するという規則のことである。逆に、二級アルケンの末端側ではなく、中央側へ水素が付加する場合は、アルケンの不飽和度を増す脱離副生成物ができる。

詳細

マルコフニコフ則は、アンドレイ・マルコフニコフによって1869年に発表された。二級アルケンに、過剰のHBr(臭化水素)と過酸化水素を反応させると、第一の生成物として二級臭化アルキルが得られる。この際、水素が揃った、つまり伸長している末端側に臭素が付加することが示された。

マルコフニコフ則は、アルケンに対して水素化反応を行うにあたり、生成物の立体的コントロールができないことから、重要である。従来の理論であり、後にラジカル反応が明らかにされた。この際の反応は、既存の二級アルコキシラジカルから始まり、脱離副生成物の生成を引き起こす。

マルコフニコフ則の反対の現象は、アンチマルコフニコフ則と呼ばれる。アンチマルコフニコフ則では、アルケンに対して水素化反応が行われる際、水素があぶれた副生成物が生成する。これは、過酸化水素とアクリルアイソシアナートの化合物を反応させた際に観察された。


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