日本酒には一升瓶がある理由

豆知識1：一升瓶の容量について

日本酒は一般的に、一升瓶(1800ml)や720mlの瓶詰めがされています。一升瓶という容量には歴史的な背景があります。

江戸時代には、酒屋が五升瓶(9000ml)や三升瓶(5400ml)を使用していました。しかし、購入する人々にとって瓶詰めされている酒を自宅まで持ち帰るのは大変であり、また酒が腐るために、最初から酒を小分けにして購入することが求められるようになってきました。

そして、明治時代に入ると、1886年には一升瓶という容量が定められました。これは、藩政時代に定められていた石高を基準として、日本酒の標準的な容量が決められたためです。

一升瓶は、現在でも伝統的な形状が残っています。大きな角を持ち、口が細くなる形状は、「平角」(ひらかど)と呼ばれます。

平角の形状は、江戸時代に建築に使われた瓦のような形状を、酒屋が落とし込んでいったといわれています。そのため、酒を扱う機会が多かった職人や消費者から、親しまれるようになりました。

一升瓶は、日本の文化に深く根ざしたアイテムであるため、大きな存在感を持っています。そのため、一升瓶にちなんだ言葉があります。

例えば、「一升瓶返し」という言葉は、酔っぱらって大暴れすることを意味します。また、「一升瓶を割る」というのは、相手を傷つけることを指し、態度が乱暴であることを象徴します。

これらの言葉からも、一升瓶が日本文化にどのように根付いているかが分かります。