「笑う門には福来たる」の由来

江戸時代の落語

江戸時代、芸能でもっとも人気を博したのが落語でした。中でも、落語家たちが演じる「笑い話」は、各階層で一斉に愛される大衆娯楽でした。

「笑う門には福来たる」という言葉は、明治時代初期の歌舞伎役者・三遊亭圓朝が創作したとされています。圓朝は、江戸時代に流行した落語「難破船（なんぱせん）」の一節「笑る門には福来る」をもとに「笑う門には福来たる」と変更し、自分の落語の挨拶文に使い始めました。

「笑う門には福来たる」は、笑顔やポジティブな気持ちを持っている人には幸せが訪れるという意味です。また、笑顔や明るい雰囲気は周りにも感染し、人々を幸せにすることができるというメッセージも含んでいます。

現在では、大衆文化を象徴する言葉として定着しています。様々な場面で用いられ、広く親しまれています。また、この言葉を元にした「笑福亭鶴瓶」や「笑福亭笑瓶」といった芸名を持つ落語家も現れました。